正しい仏壇の選び方

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美しい金仏壇とその産地

 金仏壇は、蒔絵、彫刻、金箔などを施した豪華なものです。金仏壇は、通常宗派ごとの本山の様式を模すことが決まりですから、宗派ごとに仏壇を選ばなければいけません。特に浄土真宗では、この金仏壇を選ぶことが多いようです。この金箔などの華やかな装飾は、浄土を表現したもので、決して華麗さを競うためのものではありません。現在、経済産業大臣から「伝統工芸品」として指定されている金仏壇の産地は以下の15箇所です。

  • 山形仏壇
     山形県で作られるもので、山形市・天童市・尾花沢市・八幡町が指定地域となっています。現在も江戸時代から伝わる伝統的な手法を守り続け、他の仏壇より奥行きのある作りが特徴となっています。
  • 新潟・白根仏壇
     京仏壇をベースにした白木仏壇が始まりで、宮殿が平桝型と呼ばれる、独特の造りであることが特徴となっています。破損することなく解体が可能なため、お洗濯が容易なことも特徴となっています。
  • 三条仏壇
     新潟県の三条地方で作られる仏壇で、三条は、仏都三条と呼ばれるほど大きな寺院が多く、仏教の信仰が篤い地域でした。法華宗総本山本成寺、真宗大谷派三条別院などが有名です。三条仏壇の特長は手打ち金具で、職人の手による本格的な装飾が施されています。
  • 長岡仏壇
     新潟県の長岡市で作られる仏壇です。台座と主体が分かれる造りになっており、塗り替えが可能なことが特徴です。また、塗りの打美しさ、そして美しい金物もが特徴となっています。
  • 飯山仏壇
     長野県、飯山市で作られる仏壇です。飯山仏壇は、肘木組物とよばれる独特の分解のしやすい造りと、立体感のある蒔絵の具法が特徴となっています。
  • 三河仏壇
     三河仏壇は愛知県岡崎市を中心とした三河地方一体がその産地です。押入れに合わせた、低い台、うねり長押と呼ばれる欄間の掘り、花子彫りと呼ばれる中障子などが特徴です。
  • 名古屋仏壇
     仏壇の材料となる木材が手に入りやすい地域であったために、名古屋では仏壇造りが発展しました。中区門前町は日本一の仏壇・仏具業者の密集地帯でもあります。台が高く、まくりがある事、組み立て式の木地で、部分的な交換が容易な造りが特徴になっています。
  • 金沢仏壇
     石川県、金沢市で生産される仏壇です。工芸を産業として据えた、加賀藩細工所があったこの地域は、仏壇作りの下地となる、蒔絵や漆などの職人が大勢いたという事が、金沢仏壇が盛んになった理由とされています。加賀蒔絵の流れを汲む蒔絵、ふんだんに金箔を使った造りが特徴となっています。
  • 七尾仏壇
     石川県、七尾市で生産される仏壇で、江戸時代初期から職人街があったために、職人技術を生かして仏壇作りがはじまりました。漆塗りに合った気候である事から、美しい漆塗りであり、また道が険しい場所である事から造りが堅牢である事が特徴となっています。
  • 彦根仏壇
     彦根仏壇は、滋賀県、彦根市を中心とした周辺で作られます。彦根仏壇の職人は、仏壇の販売店を兼ねていることも多い地域です。木目の見えた木目出し塗りや、細かに分業された細部へのこだわりが特徴で、高級仏壇として有名です。
  • 京仏壇
     日本における、仏壇・仏具のメッカでもある京仏壇は、家庭用の仏壇だけではなく、寺院用の仏具も本場です。もともと京都は総本山の多い場所ですから、各宗派の様式を厳密に守った仏壇が作られます。
  • 大阪仏壇
     大阪市、八尾市、東大阪市、堺市、岸和田市などで作られている仏壇が大阪仏壇です。高蒔絵という漆を盛り上げて作った金具の表現が特徴となっています。
  • 広島仏壇
    広島仏壇は、広島県、広島市で作られる仏壇で、盛りの入った美しい蒔絵や、立て塗りという落ち着いた印象の塗りが特徴です。安芸門徒と呼ばれる、鎌倉時代から続く浄土真宗門徒が多い地域であったことも仏壇生産が盛んな理由になっています。
  • 八女福島仏壇
     八女福島仏壇は、福岡県、八女市付近で作られる仏壇です。この地域は、九州の仏壇造りの大本になっており、背の低い造りが特徴となっています。また、立地条件も関係して、他の産地の影響を受けない独自の手法で作られています。
  • 川辺仏壇
     鹿児島県、川辺町を中心に製造される仏壇です。もともと川辺は信仰に篤い地域で古くから仏壇が作られていましたが、一向宗の禁制により浄土真宗の弾圧が300年もの間続き、当時仏壇仏具は全て処分されました。こうした歴史もあり、川辺仏壇は、ガマ壇と呼ばれるものが主流で、ガマとは洞窟のことです。洞窟に隠れて信仰するため、小型のものが多くなっています。

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