日蓮正宗の仏壇
日蓮正宗は、日蓮を宗祖とし、日蓮の弟子の一人、日興を派祖とします。総本山は大石寺で、妙蓮寺を本山とします。日蓮正宗は日蓮の入滅後に興ったもので、日蓮宗と同じく法華経を重視します。
日蓮正宗のご本尊は、大曼荼羅で、正式には本門戒壇之大御本尊です。日蓮宗の場合は、三宝尊が本尊となる場合もありますが、日蓮正宗はあくまでも大曼荼羅がご本尊であり、仏壇にはご本尊のみを安置するのが基本的な形式です。これは、日蓮正宗では、仏像の制作や崇拝が禁止されているためです。このご本尊は、菩提寺からいただくのが普通です。ただ、これはあくまでも基本ですので、中には、ご本尊の前方に宗祖象を祀る場合も多いようです。
日蓮正宗の仏壇は内部に厨子がついているものが正式で、この厨子の中にご本尊を祀ります。略式では、厨子の代わりに扉を厨子型にしたものが、厨子型仏壇として広く出回っています。その扉の形体から、いわゆる家具調仏壇を選ぶ場合も多いようです。
また、日蓮正宗のちょっと特殊な部分は他にもあり、他の宗派が、朝のお勤めにお湯やお茶を供えるのに対し、日蓮正宗のみ、朝一の水を供えることになっています。
日蓮正宗は日蓮の説いた三大秘法の実践を重要し、日蓮正宗における三大秘法は、本尊意外を拝まないこと、題目、南無妙法蓮華経を自ら唱え、また人に勧めることと解釈しています。