日蓮宗の仏壇
日蓮宗は、鎌倉時代中期に日蓮によって興されました。日蓮は、法華経をもっとも正しい経典と位置付けたため、法華宗とも呼ばれます。日蓮は自分が生きている現在を末法と認識し、法華経は滅後末法の時代に、人々を救うものとみなしました。このため、「南無妙法蓮華経」を唱える事を、重要なお勤めとしています。
ご本尊は久遠実成本師釈迦牟尼仏で、仏壇には大曼荼羅か三宝尊を祀ります。そしてご本尊の前に日蓮聖人の宗祖像を祀ります。ご本尊が大曼荼羅の場合のみ、脇侍として左に大黒天、右に鬼子母神を祀る場合があります。そして右側にお位牌、左側に見台にのせた過去帳をおきます。中段は飯仏器と高杯、下段中央に香炉、ろうそく立て、花器を並べます。鈴の打ち方は、最初に強く、次に中ぐらい、最後に小さく三回打ちます。また、日蓮宗では音を立てて数珠を鳴らすことをタブーとしています。
それではお勤めの順番です。
1.開経偈
2.法華経方便品第二
3.欲令衆
4.「南無妙法蓮華経」を10編、30編、50編、100編と繰り返します。
5.宝塔偈
6.一般廻向文
7.誓願
日蓮宗のお勤めは、「南無妙法蓮華経」を、何度も繰り返すのが特徴です。また、日蓮宗は、写経も大事な修行となっていて、これも蓮華経となります。写経は、手を洗い、口をすすいで仏壇の前で行うのが本来の方法です。写経の前にお線香をあげましょう。「南無妙法蓮華経」を三回唱えて、精神統一します。落ち着いてから墨をすり、書き始めます。綺麗に書くよりも一文字一文字、丁寧に書くことを心掛けます。書き終わったら、奉納していただきます。持ち帰って、ご葬儀があった場合にお棺に入れる事もできます。