一昔前は当たり前のように、どの家にもあった仏壇ですが、最近の生活スタイルの変化に伴い、仏壇のない家が増え、また、仏壇に対する考え方が誤解されてきています。もっとも多い間違いは、仏壇を、故人を弔うための「箱」として捉えている場合です。これは仏壇本来の役割を、ご本尊を祀るという意味が薄れてしまいます。仏壇は、生きている人間のための、心の拠り所となる物です。ですから故人を偲ぶためのものではなく、ぜひ本来の仏壇の意味も知っておいていただきたいのです。
中には、仏壇の意味を理解していないがために、ご本尊をお祀りしない仏壇を用意する場合もあるようです。これは特に、特定の宗派を信じない人、つまりは無宗教の人の場合が多いのです。ですがご本尊がいなければ仏壇はその役割を果たしませんから、無宗教の場合には、本来仏壇そのものが不要なのです。最近は無宗教であっても使えるという謳い文句で、宗教色の薄い仏壇を進めている仏具店もあるようですが、ご本尊をお祀りしない以上、それは仏壇と呼ぶべきではありません。もちろん、故人を祀ることが間違っているわけではなく、単に仏壇と呼ぶことがおかしいという事です。
このホームページでは、仏壇に関する基礎的な知識や、宗派別の祀り方などを紹介しています。最近は、宗教に関するしきたりやお参りに、さほど時間がかけられない人も多いと思います。ですが、仏壇の正しい考え方や、祀り方を一度じっくりと考えるきっかけになれば幸いです。